2011年 01月 30日
かしまし姉妹旅 '10アメリカ /10
<4日目/Fallingwater 前編>
ようやく憧れの地へ向けて出発。
落水荘へは監督運転のレンタカーで向かいます。
落水荘がある西ペンシルバニアのミル・ランまではピッツバーグの
市街地を抜け、途中高速道路に乗って約2時間。
お昼は道中のMacにて。
アンガスビーフバーガーはお肉の味がしっかりしてとても美味しかった〜♪
ランチを食べたら引き続きドライブ。
ナビを頼りにのどかな風景が広がる山道を走り続けると
ひょっとしたら通りすぎてしまったかも?と不安になる頃、
突如として右手に「FALLINGWATER」の石看板が現れます。
ここは世界的に有名な観光地にも関わらず途中に全く案内看板がないので
車で訪問する際はナビがないとかなり迷うかもしれません。^^;
看板を右に曲がって森を抜けると小さな小屋があり、
事前の予約表を見せると敷地内の駐車場に入れます。
駐車場にはバスや車がびっしり。
やはりここには世界中から見学者が訪れるのですね。
車を降りるとはやる心を抑えて案内所に向かいます。
案内所の右手にミュージアムショップ、突き当たりはカフェ。
姉さんに予約してもらっていたツアーまではまだ時間があるので
中に入る前に敷地内や外観を見に行きます。
落水荘はピッツバーグのデパート経営者、
エドガー・J・カウフマン夫妻が週末や夏休みに使っていた別荘を
建築家フランク・ロイド・ライトの設計で建て替えたカントリーハウス。
緑豊かな広大な敷地にはベア・ラン川が流れ、
その渓流の途中には美しい滝と舞台のように積み重なり張り出した岩棚があり、
落水荘はその滝と岩棚を取り込むように建てられた至高の住宅建築です。
インテリアの勉強をしていた学生時代、
建築関係の雑誌や洋書で落水荘の写真を見る度にこの建築の独創性、
自然と見事に調和しながらも強烈なオーラを放つ佇まいに魅せられ
いつか必ずこの地を訪れ、この建築を思う存分体感したいと夢見ていました。
とはいえ、
広大なアメリカ大陸の中の決して便利とは言えない場所にある
落水荘を訪問できる可能性は限りなく少なく、
きっとこの夢は叶わずじまいだと半ば諦めてもいました。
なので、今回突然のアトランタ行きが決まった時にもよもや本当に
行けると思わず、ピッツバーグまで行っても実際に落水荘に辿り着くまで
ずうっと実感が湧きませんでした。。。
訪れた季節は初夏で天気は快晴。
見渡す限りの新緑の間からは木漏れ日が柔らかく降り注ぎ、
木の葉の一つ一つが輝いています。
まるで美山荘に来たような錯覚を覚えながら道を進むと
木々の向こうに落水荘の姿が現れてきました。
一歩、また一歩・・・近づく度に胸が躍ります。
滝の上に架かった橋からリビングとテラスを見る。
建設当初から問題だったキャンティレバー(片持ち梁)は
60年の時を経て修復され、現在は美しい姿を取り戻しています。
このテラスやバルコニーの素材はコンクリートで、
表面は優しいアプリコットベージュに塗られています。
当初、ライトはこのコンクリート部分を全て金箔仕上げにしたいと
主張したとか(!!)。
が、当然ながらクライアントの合意は得られず現在の色になりました。^^;
しっかりと岩盤に根を下ろし、水平と垂直のラインが美しく交差し
縦横に伸びやかに広がるさまは周囲の自然と見事に溶け合い、
まるで建物そのものが生きて静かに成長し続けているように感じられます。
☆
アプローチ側からの外観を堪能したら今度は絶景ポイントに移動。
落水荘の周囲には沢山の石楠花が自生しているのでもう少し季節が早ければ
満開の石楠花に包まれた落水荘を見る事が出来るでしょう。
石楠花と言えば美山荘。
そして美山荘にあるのはベア・ラン川ではなく寺谷川。
やはりここは愛する地とよく似ています。
「View」という案内に従って滝の下流に進むと小さな岩棚があり、
そこからは数々の雑誌や本で見慣れたドラマティックな
落水荘の全貌を思う存分堪能出来ます。
写真では何度も何度も見ているけれど、
実物の持つ圧倒的な存在感と落水荘を包み込む自然の姿は
何度見ても、誰が見ても感動せずにはいられない美しさ。
この土地と滝を見たライトの頭には瞬く間に落水荘のデザインが閃き、
ライトの描いた第一案はそのままの姿で現在の形になりました。
*かしまし姉妹旅 '10アメリカ/indexはコチラ♪
*姉さん&監督の北米記事目次はコチラ♪
by izola
| 2011-01-30 19:21
| アトランタ&ピッツバーグ2010