2013年 01月 09日
俵屋/'13 睦月(2)
今年滞在したのは本館の「孔雀の間」。
初めてのお部屋です。
孔雀の間は本館を2階に上がって階段の裏手に回ったところ。
アーネストスタディの向かいになります。
昨年帰り際に見せていただいて、ここに決めました。
10畳の本間に8畳の次の間+小さなお昼寝処のついた広めの間取り。
長く手をつけずにいた部屋ですが、平成18年に柱と天井を残して改修。
改修にあたり、通りに面した部屋ということで特に遮音に気を配ったそうです。
本間全景。
新館の招月同様、2階でも緑豊かな景観が楽しめる工夫が施された庭。
窓に向かって左端には小さな書院。
足元が掘り込まれていて目の前の雪見障子越しに庭が望めます。
そして右奥にはこの部屋に決めた最大のポイントになったお昼寝処。
この空間を見た瞬間、この部屋に泊まりたい!と思いました。
中は2畳ほどの本当に小さなスペースですが、
壁と天井には全面に和紙が張りこまれ、床暖房の入った段通敷きの床、
庭の眺めを下部で小さく切り取った窓、デイベットと北欧家具が配された様子は
1階のライブラリーのようでもありアーネストスタディのようでもあり
遊形サロン・ド・テのようでもあり・・・
とにかく見ているだけでもほっこりする空間なのです。
床暖房のほのかな熱と和紙が柔らかく吸い込んで還すほわりと柔らかな光に
包まれているとだんだん陽だまりの中の猫になった気分に・・・
部屋に居る間、食事と寝る時以外の大半をここに籠っていたような。笑。
☆
とはいえ、孔雀の間は本間の室礼もとても見応えがありました。
結び柳の向こうの掛け軸は伊藤若冲の鶏図。
若冲の水墨画の迷いなく伸びやかな筆使いが大好きです。
若冲作品を見ていると、あぁこの人はほんまに絵を描くのが好きやったんやなぁ
と嬉しくなります。
その他の室礼も俵屋らしく派手さはないけれど品格のある品々。
床の間の対面の壁には孔雀の間の名に相応しく孔雀の置物が。
近くで見たら紙製?のようでしたが驚く程精密に美しく作られています。
壁に映り込むシルエットまで美しかった。
下の板戸には加藤静充氏による賀茂祭之図。
板戸の端から端まで山鉾が巡行しています。
☆
次の間はいたってシンプル。
夜はこちらに夜具を敷いて寝ました。
入口近くの小さな棚には旧い鳥の置物と・・・
これは狗?かな?
俵屋は客室にも館内にもこのような愛嬌のあるオブジェたちが
ちょこちょこ配されていて、見かけるとなんだか和みます。
細やかに丁寧に手入れをされたこういうディテールやフォルムも
落ち着く理由。
☆
バスルーム。
シングルシンクで小さな洗面スペース。
アメニティ。
ヘアケア製品は以前と変わらずラクレアですが、コンディショナーの
入れ物がチューブタイプに変わりました。こちらの方が使いやすいです。
ボディローションはアロアソからANTICA FARMACISTAに変更。
小さいけれど天井が高く開口が大きいので開放感のある浴室内。
ここでも僅かな空間に緑を巡らす工夫が。
俵屋はどの客間に滞在してもそれぞれ違う感動と楽しみがあります。
by izola
| 2013-01-09 19:32
| 俵屋旅館