モダンソウル・リサーチ/14

<SAMSUNG MUSEUM/Leeum 4>

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Leeumは1995年に建設が始まりましたが、
通貨危機による経済難で一時期建設が中断されており、
その後2002年に再び工事が再開し、
2004年10月に開館しました。




Museum 2の設計者
ジャン・ヌーベルは1945年生まれ。
フランスを代表する現代建築の巨匠です。

彼の名を一躍有名にした「アラブ世界研究所」をはじめとして
世界各地でホテルや美術館、
その他様々なプロジェクトを手がけています。
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「建築とは文明が大地に付けた傷跡であり、
その痛みの上にそびえ立つモニュメントである」

そう考える彼は、
この工事の際に掘り出された岩石を金網で固定し、
外壁に積み上げて使用する事により、
大地の痕跡を記憶としてとどめようとしています。

金網に固定された岩石の壁は
館内の窓から中庭の背景として見ることが出来ます。

建物自体の外壁に使われた「ブラックステンレス」は
世界で初めてこのプロジェクトのために多数のテストプロセス
を経て研究された素材。

この錆びたステンレス素材は
現代芸術の進歩を象徴しているそう。


また、ジャン・ヌーベルは最新技術の革新と
モダンデザインの融合を得意としており、
外観においても館内の展示スペースの形状や考え方においても、
彼のデザイン哲学は余すところなく活かされています。


館内は設置されるアートのサイズや仕様に柔軟に対応できるように
柱のないオープンスペースとなっており、
その中に様々なサイズの展示ボックスをランダムに配置。

展示ボックスは中に配されるアートをそれぞれ独立して
見せる事ができるだけでなく、展示ボックスの一部を外部まで
突出させる事により美術館の一部となって外観を構成しています。
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写真で見えるランダムに出っ張った部分が展示ボックスの
一部となっています。


展示されている作品はイ・ジョンソプやパク・スグンなどの
1910年〜現代に至るまでの韓国現代アート作品と
ジャコメッティやドナルド・ジャッド、ダミアン・ハースト等
1945〜60年代の海外のミニマリズム・アートが
中心になっています。


単にそれらの作品を活かすためだけの機能的な空間ではなく、
飾られるアートと展示される空間とが一体となって
互いの芸術性をより高めている素晴らしい空間でした。


そして建築やアートに対するアプローチの仕方が
Museum 1とは全く異なりながらも、
同じレベルの高さを維持している点も凄いと思いました。


*各美術館内部の様子を見たい方はこちらのサイト
にゲリラ撮影した写真と詳細レポが載っています。


*次回は児童教育文化センターのご紹介です。
by izola | 2006-01-28 20:03 | ソウル2005

旅は心の宝石箱