2006年 07月 06日
ニンジン逃亡記/2
昨年東京都現代美術館で開催されていた
イサム・ノグチ展を見たのがきっかけで、
この土地に呼ばれてしまいました。
公園化計画を推進するにあたり、札幌市が公園候補地として
イサムに提案したのは「札幌芸術の森」「芸術大学建設予定地」
「モエレ沼」の三カ所。
その内モエレ沼は数の付け足しとして提案されたにすぎない
土地(ゴミ焼却場)だったにもかかわらず、
彼の心が動いたのはモエレただひとつでした。
まだ雪が残る3月、ゴミ埋め立て地に足を踏み入れながら
イサムは「ここにはフォルムが必要です。
これは僕がやるべき仕事です。」と語ったそうです。
イサム・ノグチによるマスタープランが完成したのが1988年。
そして同じ年の12月に心不全で急逝。
それから彼の遺志を受け継いだ人々の手により17年もの年月を経て
昨年7月にモエレ沼公園は正式に全面開園しました。
「モエレ沼公園」は札幌市内から車で20〜30分ほど。
駐車場から沼を渡って公園に向かいます。
沼というよりは河のような印象のモエレ沼。
モエレとはアイヌ語で「静かな水面」。
その名の通り静かに豊かに水をたたえています。
橋を渡るとすぐに「モエレ山」が見えます。
標高62mの小さな山には3カ所のルートで登る事ができ、
約10分ほどで頂上に着きます。
青空めざして一歩一歩。
頂上は直径20m程の広場になっており、
札幌の街並みを360°の眺望で楽しむことができます。
モエレ山から見た「プレイマウンテン」(奥)と「アクアプラザ」(手前)。
右手には「海の噴水」があるカラマツの林。
下から見上げたモエレ山。
ただ登って降りるだけで幸せになる不思議な山です。
まるでピラミッドのような「プレイマウンテン(遊び山)」は
1933年に原型が構想され、このモエレ沼公園でようやく
現実のものとなりました。
高さ30mのこちらの山も10分足らずで登れます。
プレイマウンテンからモエレ山を望む。
プレイマウンテンの斜め前方に位置するのは
直径2mのステンレス柱と芝生のマウンドで
構成された「テトラマウンド」。
表面をバイブレーション加工したステンレス柱は光を受けて
様々に表情を変え、それ自体から力強いパワーを感じます。
ここは隣接した広場を利用してイベントやコンサートが開かれるそう。
プレイマウンテンの正面に位置する半円形の建物は
「ミュージック・シェル」。
コンサートや舞踏などのパフォーマンス・ステージとして
活用されるそうです。
ここまでだけを見ても、この公園が通常の概念とはかなり
異なる公園であることがわかると思います。
なんというか、実際に足を踏み入れると
公園自体がまるで有機体のように感じられるのです。
大地に誘われるまま、心赴くままに
いつのまにかあちこち歩いていて、
何も考えずにただ歩くだけのことでも喜びを感じるんです。
モエレ編まだまだ続きます☆
*現在発売中のMISIAの新曲PVのロケ地がこのモエレ沼公園なので
気になる方はチェックして下さい。^^
by izola
| 2006-07-06 20:59
| トラベル(国内)