ニンジン逃亡記/2

<モエレ沼公園/1>

ニンジン逃亡記/2_b0035734_1923449.jpg


昨年東京都現代美術館で開催されていた
イサム・ノグチ展を見たのがきっかけで、
この土地に呼ばれてしまいました。


公園化計画を推進するにあたり、札幌市が公園候補地として
イサムに提案したのは「札幌芸術の森」「芸術大学建設予定地」
「モエレ沼」の三カ所。
その内モエレ沼は数の付け足しとして提案されたにすぎない
土地(ゴミ焼却場)だったにもかかわらず、
彼の心が動いたのはモエレただひとつでした。

まだ雪が残る3月、ゴミ埋め立て地に足を踏み入れながら
イサムは「ここにはフォルムが必要です。
これは僕がやるべき仕事です。」と語ったそうです。

イサム・ノグチによるマスタープランが完成したのが1988年。
そして同じ年の12月に心不全で急逝。
それから彼の遺志を受け継いだ人々の手により17年もの年月を経て
昨年7月にモエレ沼公園は正式に全面開園しました。



「モエレ沼公園」は札幌市内から車で20〜30分ほど。

駐車場から沼を渡って公園に向かいます。
沼というよりは河のような印象のモエレ沼。
モエレとはアイヌ語で「静かな水面」。
その名の通り静かに豊かに水をたたえています。
ニンジン逃亡記/2_b0035734_19235666.jpg

橋を渡るとすぐに「モエレ山」が見えます。
標高62mの小さな山には3カ所のルートで登る事ができ、
約10分ほどで頂上に着きます。
ニンジン逃亡記/2_b0035734_1924262.jpg

青空めざして一歩一歩。
ニンジン逃亡記/2_b0035734_19243931.jpg

頂上は直径20m程の広場になっており、
札幌の街並みを360°の眺望で楽しむことができます。
ニンジン逃亡記/2_b0035734_19245110.jpg

モエレ山から見た「プレイマウンテン」(奥)と「アクアプラザ」(手前)。
ニンジン逃亡記/2_b0035734_1926843.jpg

右手には「海の噴水」があるカラマツの林。
ニンジン逃亡記/2_b0035734_19262556.jpg

下から見上げたモエレ山。
ただ登って降りるだけで幸せになる不思議な山です。
ニンジン逃亡記/2_b0035734_1926423.jpg

まるでピラミッドのような「プレイマウンテン(遊び山)」は
1933年に原型が構想され、このモエレ沼公園でようやく
現実のものとなりました。
ニンジン逃亡記/2_b0035734_192712.jpg

高さ30mのこちらの山も10分足らずで登れます。
ニンジン逃亡記/2_b0035734_19271743.jpg

プレイマウンテンからモエレ山を望む。
ニンジン逃亡記/2_b0035734_19273081.jpg

プレイマウンテンの斜め前方に位置するのは
直径2mのステンレス柱と芝生のマウンドで
構成された「テトラマウンド」。
ニンジン逃亡記/2_b0035734_19274512.jpg

表面をバイブレーション加工したステンレス柱は光を受けて
様々に表情を変え、それ自体から力強いパワーを感じます。
ここは隣接した広場を利用してイベントやコンサートが開かれるそう。
ニンジン逃亡記/2_b0035734_19275710.jpg

プレイマウンテンの正面に位置する半円形の建物は
「ミュージック・シェル」。
コンサートや舞踏などのパフォーマンス・ステージとして
活用されるそうです。
ニンジン逃亡記/2_b0035734_19281052.jpg



ここまでだけを見ても、この公園が通常の概念とはかなり
異なる公園であることがわかると思います。

なんというか、実際に足を踏み入れると
公園自体がまるで有機体のように感じられるのです。

大地に誘われるまま、心赴くままに
いつのまにかあちこち歩いていて、
何も考えずにただ歩くだけのことでも喜びを感じるんです。



モエレ編まだまだ続きます☆


*現在発売中のMISIAの新曲PVのロケ地がこのモエレ沼公園なので
気になる方はチェックして下さい。^^
by izola | 2006-07-06 20:59 | トラベル(国内)

旅は心の宝石箱