2009年 09月 21日
久し振りに・・読書メモ。
連日快晴のシルバーウィークも半ば。
我が家の庭ではyamamiさんから種をいただいた
朝顔が次々と美しく開いています。
朝顔って夏の花のイメージですが、
長いものは11月頃まで咲くのですよね。
明後日には秋分を迎え
暦の上では秋も盛りとなりますが、
朝顔の涼やかな表情にいましばらくは季節の移り変わりの
曖昧さを楽しませてもらおうと思っています。
一時期忙しさにかまけて怠っていた読書。
継続してぽつぽつと読んではいましたが、
一時の読書量からは激減していました。
でも先月の逃亡で久し振りに思いっきり活字に触れて
やっぱり本を読むの好きやなぁ・・と再認識。
私にとって読書は知識を与えてくれるツール
というよりも、一種の精神安定剤のようなもの。
余計な事は何も考えずただ活字を追い、
ふと目に留まった小さな言葉の響きに大きく心が動く・・
そんな瞬間に喜びを感じます。
☆
最近読んだ本あれこれ。
話題のこれは発売直後に読みました。
ネタバレになるといけないので詳しい感想は書きません。
物語的に良いかどうかという判断は難しいのですが
(まだ完結していないので)
久し振りに「あー、村上ワールドを満喫したなぁ〜〜」
という充実感というか満足感がありました。
この人の独特の世界観や何気ない言い回し、
やっぱり好きです。
1Q84は現在続編執筆中で来夏に出版予定らしいですね。
うーん、どうなるんだろう?
この本と逃亡がきっかけで
今夏はひとり村上春樹祭りを開催して(笑)
手持ちの村上本をほじくり出して片っ端から読み返しました。
「ノルウェイの森」も「海辺のカフカ」もいいんだけど
何故か一番好きなのは「国境の南、太陽の西」。
フォトエッセイ「使いみちのない風景」
の最後に入っている「猫との旅」は
読む度に頷きながら微笑んでしまう大好きなエッセイ。
私もいつか旅行好きの猫を飼って、パリのリッツのバーで
「よく冷えたシャンパンを、それから猫にはミルクを室温で。」
なんて言ってみたい・・・!
そして何故か最近気になるのが古い作品。
「陰翳礼讃」は何度も読み返している本ですが
今回読み返して面白かったのは陰翳礼讃ではなく
同じ本の後ろに収録されている
「客ぎらい」「旅のいろいろ」「厠のいろいろ」。
「客ぎらい」では猫の尻尾や生態を羨んでみたり、
「旅のいろいろ」では自身の旅への拘りやゲストとしての心得、
もてなす側のホスピタリティについて熱く語っていたり、
「厠のいろいろ」では各地で出合った面白い造りの厠や
いたし方(笑)の工夫、考察などがいたって真面目に書いてあり
読むとついぷぷっと笑ってしまいます。
どうやら今まで「陰翳礼讃」のところばかり読んで
あとは読み飛ばしていたようです。
「古今・新古今和歌集」「徒然草」「方丈記」
なども少しずつ読み進めています。
学生時代、古典は全くダメだったし
行く河の・・・も、つれづれなるままに・・も
歌は知ってるけどそれが何か?程度のレベルでしたが、
(今もレベルは変わりませんが。。^^;)
色んな本や雑誌で引用されている和歌や一文を読んで
その歌の持つ美しいリズムや響き、
簡潔な文章の中に宿る意味の深さに興味を持って
改めて読んでみると、なんだかしみじみ感じるものがあります。
やまと歌は 人の心を糧にして よろづの言の葉とぞなれりける
古今集はこの序文だけでズキューンときました。
☆
今年になって良いご縁をいただいたこの方の著書からは
細やかな季節の移り変わりを美しい言葉で現す「二十四節気」
についてを、京都の季節の行事と共に学びました。
仕事柄、どうしても常に季節を先取りしてしまうので
リアルタイムで四季を感じられなくなっていたのが悩みでしたが
この本を読んですぐ手帳に二十四節気を書き写してみたところ、
手帳を開いて時折目にとまる季節の言葉に
心の中だけでも旬の季節を感じられるようになった気がします。
そして長い間近いけど遠い場所だった京都が
ほんの少しだけ、近くなった気がします。
言の葉の力は凄い。
そして私はまだまだ知らない事が多すぎる。
一生勉強やなぁと改めて痛感デス。
ね、もあちゃん。(今朝の寛ぎもあちゃん↓)
by izola
| 2009-09-21 18:33
| 読書