2011年 07月 21日
美山荘/'11 Spring(2)
春の宴のはじまり・・・
ひとしきり月見台でゴロゴロしたらお風呂で汗を流してさっぱり。
お風呂からも寺谷川がよく見えます。
夕食は母屋で。
襖いっぱいに伸びやかに描かれた朝顔、
床の間には東大寺名誉管長、清水公照氏の泥仏と書。
虎杖、かたくり、こごみ、野萱草、栃餅、空豆
川海老、どじょう、ごり、稚鮎、地玉子etc・・・
篭いっぱいに盛り込まれた花背の春から宴はスタート。
若女将と仲居さんの手で一品一品作りたてがゆっくりと丁寧に運ばれてきます。
これらの料理に使われている食材は、あの雪深い冬を耐え抜いて
この地にもたらされた恵みの欠片たちなのだと思うと、
口に運ぶ度に味わいも一段と深く愛しく有難く感じます。
また、料理を運ぶ若女将の美しい所作と柔らかな笑顔を見ながら
お話をするのもここでの食事の大きな楽しみ。
若女将の奥ゆかしくもきりりと品があり、内から滲み出るような
透明感のある美しさも美山荘の素晴らしい奇跡のひとつだと思います。
☆
山菜の天ぷらはタラの芽、蕗の薹、行者にんにく、こしあぶら、
白アスパラ、躑躅の花。
今回、冬以外にはじめて肉料理が出ました。
芽独活、萱草、オランダからし、草ふじ、野人参、おどりこ草といった
和のハーブに京都牛の柚庵焼きを合わせた一品で、
肉ではなく野草達を食べてもらう為に京都牛を合わせました、
というところが実に美山荘らしい発想の料理です。
京都牛というのは初めて聞きましたが、丹後半島で江戸時代に飼育されていた
「宇川牛」がルーツだそうです。(更に遡ると但馬牛がルーツとか)
柔らかくて美味しいお肉でした。
絵付けの美しい丸い蓋物を開けると、中には香ばしく焼いてたっぷりの
山椒をまぶした天魚の群れ。
締めのご飯は嫁菜飯。
あぁ、今宵も幸せな宴でした。。。
この日の御献立。
☆
宴が終わり、お腹も心もいっぱいで部屋に戻ったら・・・
本を読んで、おしゃべりをして、
おやすみなさい。。。
by izola
| 2011-07-21 17:54
| 美山荘