俵屋/'17 睦月(2)




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今回滞在したのは新館1階にある「竹泉」









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この部屋と寿の間はJTB枠の部屋と聞いていたので普通に予約するのは
無理かなと思いつつ、ダメ元でお願いしたら取ってくださいました。







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竹泉は建築家の中村好文氏がご自身の著書「意中の建築」の中で
俵屋全18室の中からこれぞ!と思う1室を選ぶとしたらこの部屋、
として紹介されています。



選ばれた際の条件は以下。


*廊下の行き止まり、あるいは入り隅に位置すること。
*掘りごたつ式の書斎机があること。
*和風庭園(坪庭)の眺めが愉しめること。
*清潔、快適な水まわりに心安らぐこと。








レイアウトは4畳半ほどの書斎机のある次の間と8畳の本間、
次の間と本間に面して竹泉専用の庭があります。

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ではでは、室内へ。

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部屋に上がって目に入るのはF・L・ライトのタリアセンが置かれた
書斎机と雪見障子越しの庭。

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まずこの眺めでグっと心掴まれます。










次の間から本間を見る。

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本間から次の間を見る。

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掘りごたつ式の机があり庭がある様子は改装前の栄に似ています。
(栄は一昨年改装されて、掘りごたつ机のあったスペースはベッドが
置かれたそうです。)

栄は庭側に張り出した小空間があり洗面所や庭がここより広いので
竹泉の方がよりこぢんまりとまとまった印象。


今回最初は栄を希望していたのですが、先約が入っており予約が取れず、
そこで以前から気になっていた竹泉をリクエストしたのでした。







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床の間の軸は三井家総領八代目、三井高福による福俵

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今年の室礼一覧

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どの部屋にも共通するのは清らかで端正でありながらも
どこか柔らかさや温かさを感じるところ。

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新館を設計した吉村順三氏は快適性や設備には拘ったけれど
銘木などの素材には拘らず、ベニヤやラワンも積極的に使われたそうです。
この天井も竣工当初はラワンだったのでしょうか。

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洗面所と風呂場はかなりコンパクト

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浴槽の向こうは緑が見えない代わりにオブジェが置かれています。

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庭へ。

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三方塀で囲まれた小さな庭ですが、青々とした苔や鮮やかな紅葉が
目を愉しませてくれます。

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突き当たりの蹲の横には、、、

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馬?驢馬?が隠れてました。栄は狗でしたね。
こういう遊び心は宿の其処此処に見られます。

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ここに籠っていたら完全に下界から切り離された気分になれそうな
中村氏が気に入ったのがわかるプライベート感満載の空間です。


ただしひとつだけ、私が気になったのは部屋の暗さ。
冬という季節柄と到着時に曇っていたせいかもしれませんが、
部屋が敷地の角に位置し庭の奥行きが狭く三方塀で囲まれているので
朝方の天気が良い時間でも室内はやや暗めな印象でした。

明るいのが好みな方には向いてないお部屋かもしれません。








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ここは夫婦や家族でというよりも、一人でゆっくり静かに本を読んだり
庭を眺めてぼんやりしたり、ゴロンと横になって昼寝したり、
そんな風に過ごすのに向いているお籠り空間だと思います。


冬に掘りごたつの書斎から雪の積もった庭を眺めるなんて素敵かも。
by izola | 2017-01-12 18:43 | 俵屋旅館

旅は心の宝石箱