
朝食後に向かったのは座喜味にある読谷山焼 北窯。今回の沖縄旅の目的はここ。

北窯は読谷村出身の松田米司さんと弟の共司さん、
宮城正亨さん、興那原正守さんの4人で1992年に開かれた共同窯。

2013年冬に京都のShikama Fine Artsで開催された「琉球ー松田米司作陶展」で初めてやちむんの世界に触れました。
*やちむん=沖縄の焼き物

それまでも沖縄の焼き物の事は知っていたものの
実際使ったことがなかったので特に意識した事がなく。

でも展覧会で初めて手にした米司親方の器になんとも言えない
優しさと温かさの中に洗練された美しさを感じ、
何よりその時お話しさせていただいた米司親方の太陽のような
笑顔とお人柄に触れて、親方が沖縄で器を創る姿をぜひ拝見したい
と思っていました。

そう思いながらもなかなか訪れる機会がないままだった昨年、米司親方の作陶の日々を追ったドキュメンタリー映画「あめつちの日々」を観る機会を得て、あぁ、やはり行かなくちゃと思い立って沖縄行きを決めました。

その時すぐに行けていれば親方の作陶する姿を拝見できたと思うのですが、昨夏くも膜下出血で倒れられて、現在はリハビリに励まれているとのこと。
お会いできなかったのは残念ですが、なにはともあれご無事で本当に良かった。。。
親方不在の工房は工房長の津田さんと米司親方の息子さんが
しっかり守っておられ、事前に四釡さんが連絡してくださって
いたので訪問時はお二人から色々とお話を伺う事が出来た上に、
工房内、登り窯、敷地内の隅々まで丁寧に案内してくださいました。

青空に映える赤瓦の屋根。

沖縄の風と陽射しをたっぷり浴びて実に気持ち良さそうな器たち


どこまでも清らかな気が流れ、土の力を感じる場所でした。

登り窯を見学
全長26メートルにも及ぶ登り窯は親方達4人で作り上げたものだそうです。

北窯では4人の親方がそれぞれの工房で弟子を持ち、自由に作陶されています。
窯の火入れや窯出し、土作りなどは共同でされています。

開窯当時から今まで同じ土地で同じ仲間と器作りをされているなんて素敵です。

登り窯も開窯当時から使い続けているそうですが、
一部古くなった所は修復中でした。
こうやって窯も器作りの精神も次世代へと受け継がれてゆくのですね。

ただ、やちむんはお手頃価格で日常使いのカジュアルな雑器というイメージですが、色々とお話を伺う中で、登り窯に焚べる薪も釉薬の材料になる植物もどんどん手に入りづらくなっているので、伝統的な作り方をどこまで続けていけるか心配ですと仰っていました。

そういう不安を抱えながらも師の想いや伝統を繋ぐ決意をした次世代の陶工たち。

息子さんの少しはにかんだ笑顔が親方に良く似ていて眩しかったです。
最後に売店で器を少し入手。
北窯の、特に米司工房の器はとても人気で、窯元の売店にもかかわらずほんの少ししかありませんでした。
意外と都内の方が種類が揃ってたりするようです。気に入ったのを見かけたら即、手にいれましょう。
Shikama Fine Artsの作陶展で出会った米司親方の作品。
本来は徳利だそうですが、花器として使っています。

形も色もサイズもどれもとても好みで、春夏秋冬、京トスカーナの草花をただ挿すだけですんなり馴染む、我が家で一番活用している花器です。

