2005年 09月 04日
あらや滔々庵/2
今回は旅館に直接電話して予約しました。
非常に丁寧で気持ちよい対応です。
ここのお部屋は全20室。
昨年2月に露天風呂や露地テラス付き客室
等が完成したそうなので
そちらの客室にも興味がありましたが、
せっかく伝統ある旅館に泊まるので、昔からある旧い方の客室
でとお願いしていたところ、当日通された部屋は
一番見てみたかった特別室『御陣の間』でした。
この客室は代々の大聖寺藩主とゆかりの者しか滞在を
許されなかった部屋で、北大路魯山人も逗留しました。
漆塗りの柱と落ち着いた色調の朱壁が美しく、
実際は写真から感じたような重苦しさは感じず
隅々に加賀ならではの美意識が生きた空間でした。
部屋に入った瞬間は全体の赤さに驚きますが
品のある色調なので居心地悪くなるような事はありません。
この壁面の前に座るとほんとにお殿様のようです。
座布団は高さ30cmほどに小山のようにこんもり膨らんでおりました。
一度座ってしまったのでちょっとへこみました。(笑)
赤と金でも決して下品になりません。
テラスからは山庭の豊かな緑が眺められます。
この山庭は自然石を利用した山畔池泉式庭園で、
寛永年間の作庭だそうです。
天井まで漆塗り?簾もよく見ると手が込んだ造りです。
こういった細かい所も・・・
襖の取手までこの凝りよう。
内風呂は細かいタイルが貼られて下に掘り込んであります。
大浴場と露天風呂を利用したので結局ここは使用せず。
旅館と言えばやはり浴衣ですね。
上に羽織る甚平と足袋ソックスも用意されていました。
どこかマイナス点を挙げるとすれば、冷房が旧式なので
スイッチを入れるとゴンゴンとすごい振動音がした上にリモコンが
ないので細かい温度調節やスイッチの付け消しが不便だった事、
洗面やトイレの設備や備品の趣味が今イチだったという点でしょうか。
それを覗けばとても心地よい滞在でした。
カップルや家族連れは露天風呂付きやメゾネットタイプの客室
でゆっくり部屋風呂で寛ぐのもよいと思います。
新しい客室は畳敷きにローベッドやコルビュジェの椅子が置かれて
いるそうです。
でもこちらのタイプを選ぶなら「べにや」の方がいいかもしれないですね。
by izola
| 2005-09-04 18:54
| 旅館