2005年 11月 12日
奈良国立博物館/正倉院展
奈良国立博物館で11月14日まで開催されている
第57回 正倉院展に行ってきました。
毎年行きたいと思いながら会期が短くて
気付くと終わっていたのですが、
今週たまたま奈良で打合せがあったので
最後の週に駆け込みで行くことが出来ました。
それにしてもすごい人人人でした!
打ち合わせ前だったのであまり時間がなかったのですが、
博物館に着くと入口には1000人単位の行列が・・・。
見た瞬間にそのままひきかえそうかと思いましたが、
この日を逃すともう見れないので我慢して並びました。
列はどんどん流れていたので30分ほどで入場は出来ました。
が、当然中もすんごーい事に。
ここまで人の多い展覧会ははじめてかも。
どの展示ケースの前も黒山の人だかりで
ゆっくり見るなんてとんでもないといった感じ。
すでに入口の行列で覚悟はしていたので、
イヤフォンガイドとカタログを片手に見たかった
展示品だけに焦点を絞って廻りました。
今年の正倉院展では特に遊戯具、楽舞関係の遺品、
珍貴な材料を用いた遺品の多いのが特徴だそうです。
ゆっくり見れなかった事を除けば
展示品の内容は素晴らしかったです。
中でも12年振りに出展される正倉院宝物中屈指の名宝
木画紫檀棊局、及びその容器である金銀亀甲棊局龕は
それはそれは手の込んだ信じられないほど美しい工芸品でした。
以下が見たかった展示品です。
(HPより画像を借用しています。)
●木画紫檀棊局(もくがしたんのききょく)
肉眼で見てもその細工の繊細な美しさに驚く品。
いわゆる碁盤ですが、当時はこれでほんとに碁を打っていたのでしょうか?
特に側面の螺鈿の動物柄は筆で描いたような緻密さです。
●紅牙撥鏤棊子(こうげばちるのきし)
●紺牙撥鏤棊子(こんげばちるのきし)
これが碁石。象牙を紅と紺に染め、その表面にそれぞれ
花をくわえた鳥が彫り込まれています。
●金銀亀甲棊局龕(きんぎんこっこうききょくのがん)
上の碁盤をしまう為の箱です。
碁盤を入れるだけのものにここまでの細工を施すとは・・・
●平螺鈿背八角鏡(へいらでんはいのはっかくきょう)
これも言ってみればただの鏡なのですが、
びっしりと隙間なく施された螺鈿細工の美しさには目を奪われました。
●犀角如意(さいかくのにょい)
こんな孫の手で背中を掻いたらバチがあたりそう。(笑)
実際は僧侶が儀式で用いた道具だそうです。
これも間近で見たらぞっとするほど細かい細工でした。
その他にも古文書や太刀、染織物など様々な展示品が
ありましたが、きちんと見ることはできませんでした。
毎度思う事ですが、せっかくの素晴らしい展覧会も
このようなバーゲンセール状態で見たのでは
素晴らしさも半減です。
聞くと毎年このように大行列大混雑だそうです。
ならば会期を延ばすなり予約制で入場者規制をするなり
するべきではないでしょうか。
色んな制約は当然有ると思いますが
美術展を開く真の目的は何なのかを考えると
とても残念です。
あとでカタログで詳細を振り返る事はできますが、
肉眼で作品と触れ合うことの重要性を考えると
少しでも長くゆったりとした空間の中で見せる工夫を
していただけたらなぁと思います。
明日、明後日に行かれる予定のある方は
時間には十分余裕を持ってお出かけくださいね〜。
そして事前にHPで見たい作品を絞って行かれると
いいのではないかと思います。^^
*最後に博物館前で見かけた子鹿ちゃんを。
博物館前にはあちこちで何十頭と鹿が寛いでおります。
ここの鹿達はとっても人慣れしているので
行列してると「なんかおくれ〜」と側までやってきたりも。
そしてよーく見ると右下にはシカのフンがコロコロ・・・。
一時期唄が流行りましたよね〜。(笑)
by izola
| 2005-11-12 18:20
| 美術館(国内)