2006年 04月 30日
モダンソウル・リサーチ/15
モナコレポに入る前にソウルレポを
完結させておかなくてはなりません。
え?まだ終わってなかったん?
そうなんです。終わってなかったんですよ〜。笑
Leeumレポの最後はオランダ人建築家
レム・コールハースの手がけた
「Child Education&Culture Center(児童教育文化センター)」です。
こちらは写真、ドローイング、未来芸術を展示する為の空間と
子供の為の芸術体験スペースとで構成されています。
この空間の中で一番の見所は「BLACK BOX」と呼ばれる
地下2階から地上2階までを貫くブラックコンクリート製の立方体。
通常ブラックボックスとは、周囲からの完全なる独立体で
人工的であり、他の影響を全く受けない空間の事を示します。
レム・コールハースはこの巨大なブラックボックスを
大地を掘削した美術館の空間と共存させることで、
人工的要素と自然的要素との弁証的関係が成立するという事を
建築によって表現しようと試みました。
そう言われるとコンクリート、ガラス、ステンレスといった無機質な
マテリアルで構成された空間は一見すると子供や自然とは
対極なイメージですが、空間の中に浮遊するように存在する
ブラックボックスをじっと眺めていると
母船や胎内をいったワードを連想させるような気もします。
今回Leeumを見学して強く感じた事は、
やはり美術芸術とはそれをとりまく環境、及び思想に
大きな影響を受けるものであるということ。
一企業のプライベートミュージアムがこれほどの
意志を持って自国の文化や伝統を後世に残そうとする姿勢、
そして現代芸術やこれから芸術や文化を担っていく
子供たちの為にこのような素晴らしい空間を創り上げたという
事実を目にする事が出来て、本当によい体験ができたと思います。
ここに来る為だけでもソウルに来る価値のある
ミュージアムでした。
*これはあくまでも私個人の感想です。
by izola
| 2006-04-30 17:57
| ソウル2005