コートダジュールの宝石/14

<ニース/マチス美術館>

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ニースの中心からバスで20分ほどのシミエの丘に
マチス美術館はあります。






学生の頃から愛してやまないマチス。
私にとってニースに行く=マチス美術館に行くことです。

でもまさかここへ3たび来れるとは思いませんでした。

1963年に開館したこの美術館は
ローマ時代の湯治場遺跡と闘技場遺跡のあるシミエの丘にあり、
長年ガラン・ド・ココナート家の領地だった場所でもあります。
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現在美術館に使われているヴィラ・デ・ザレーヌもその領地内に
あったため、周辺には見事に当時の風景が保存されています。
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17世紀のジェノバ様式を再現した騙し絵装飾の窓。
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ポスターにも騙し絵窓が使われています。
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中は撮影禁止なので写真はありませんが、
邸宅を利用しているので、美術館という堅苦しさはなく、
規模もそんなに大きくありませんので
温かな雰囲気の中でのんびりと見て廻ることができます。

マチスは亡くなる直前にまとまった数の作品を市に寄贈しています。
また、次いで遺族も多くを寄贈しています。

ここにあるコレクションはマチスの作品の変換と本質が良くわかるように
マチス自身が選んだものが中心になって構成されています。

絵画コレクションからは光と色使いの発見と発展を見ることができ、
グラフィック部門ではペン画、木炭、デッサン、リトグラフ、版画、
エッチング等彼の実験した様々な技巧を見ることができます。

上階はロザリオ礼拝堂の習作や模型の部屋、
タヒチ滞在の部屋、オダリスク、ダンスと切り絵の部屋
と、各部屋ごとにテーマが分かれて展示されており、
礼拝堂の模型やPolynesie-La Merのタペストリー大作など、
どの作品を何度見ても飽きないですし
その都度違う感動を受けます。


ここは地下2階の出口から出たところ。
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この日は学生がたくさん見に来ていました。
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マチスはヘンリー・クロフォードに宛てた書簡で
次のように述べています。

「私は、いつも自分が払った努力の跡を隠そうとしてきた。
私の作品には、そこにつぎ込まれた労の一片たりとも見えることなく、
軽快さと春のきらめきが感じられることを望んできた。

若い人たちが、見かけの容易さとデッサンの無造作しか知覚せず、
私が必要と考えるある種の努力をしないですませるための口実に
しないか、気がかりだ。」
*ニース マチス美術館コレクションガイドより引用


私がマチスを愛したのはまさに彼のこの精神です。

デザインに携わる者として、いつまでも忘れてはいけない
大切な精神だと思います。



美術館前にはたくさんのオリーブの木が植えられた公園があり、
そこでは毎年ジャズ・フェスティバルが開催されるそうです。
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1954年11月3日、ニースで亡くなったマチスは
美術館近くのフランシスコ会修道院に並ぶ墓所に眠っています。
Commented by hawaii_oslo at 2006-06-04 21:34
”私は、いつも自分が払った努力の跡を隠そうとしてきた。、、、”マチスの謎が溶けたような気がします。私には長く謎だったんですけど、そうだったんだーとこの言葉を読んで思いました。「粋」と呼んでいいのかな。
こういう小さめの誰かのお家に来たような美術館も良いですね。南仏の光の下で見るマチスは、線も色もより弾けて見えるような気がします。
Commented by izola at 2006-06-05 00:37
>hawaii_osloさん、とても素晴らしい言葉だと思いません?
私もこの言葉を知った時には何故これほどまでに自分が
マチスに惹かれるのかという理由をはっきりと
認識することができました。
この考え方って仕事だけでなく生き方や愛し方、
どんなことにもあてはまるんじゃないかなと思います。

パリのポンピドーなど世界の大きな美術館でもマチスの
作品を見る事はできますが、私は世界中のどこより
この美術館のマチス作品が線も色も活き活きしていると
思います。^^
Commented at 2006-06-05 10:11
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by eieie at 2006-06-05 13:10 x
コクトーもですが、私もマチス好きです!
なので今回のアップを楽しみにしておりました。
あの斬新な絵画にそんな繊細な心が隠されていたとは・・・
ますますマチスが好きになり、今度作品を見るときは
また違った気持ちで接することができそうです。
その機会を与えてくださったizolaさんに感謝です。
Commented by milky at 2006-06-05 18:43 x
マチスに縁があるんですねぇーーきっと・・

 私も学生のとき、京都美術館でマチスを見たときの衝撃が忘れられません・・・もう、40年も前です
 一昨年も上野に見に行きましたが、この美術館で、是非見たいです
その空気の中で、光の中で見てみたいです
Commented by izola at 2006-06-05 21:01
>鍵コメちゃん、情報ありがとー!
1000万円プレゼントはしっかりチェックしてたけど
その他は知りませんでした〜。
早速チェックしますね!
Commented by izola at 2006-06-05 21:12
>eieieさん、マチスもお好きなんですね!
マチス仲間が増えて嬉しいです〜。^^
私が初めてマチスの絵を見た時に感じたのはまさに彼が願う
「軽快さと春のきらめき」だったんです。
なのでこの言葉は一生忘れられません。
画家の想いを感じながら見ると
また違う感想や発見がありますよね。
だから何度でも行きたくなってしまうのかもしれません。
eieieさんが次に出会うのはどのマチス作品なんでしょう・・?
楽しみですね!
Commented by izola at 2006-06-05 21:22
>milkyさん、こんな遠く離れた場所に3度も訪れる機会が
あるなんて、我ながら何か不思議な縁があるのかなぁ・・
なんて思ってしまいます。

上野のマチス展は私も行きましたよ〜。
マチスよりも人の頭を見に行ったようなものでしたが。(笑)
そのときにも強く思いましたが、絵にはそれぞれあるべき場所が
あって、そこを離れてしまうとオーラがこんなにも
弱ってしまうんだなぁと。
画家の想いが宿った場所にあると
その絵たちは確かに「生きている」んですよね。
私もぜひmilkyさんにこの場所で直にマチスの想いを
感じて欲しいと切望します。
Commented by tdtmk911 at 2006-07-08 23:22
お~あぶない、あぶない。この記事を見逃すところでした。
やはりスペインではなくフランスにするべきだったか、と思ってしまいました。このマチス美術館と、ロザリオ礼拝堂は人生でぜ~ったいに行きたいところです。
ロザリオ礼拝堂の写真を探していてizolaさんのブログとお会いできたわけですし。
ご紹介されていたマチスの言葉、初めて知りましたが、ほんとに粋ですね。「軽快さと春のきらめき」かぁ。なんてステキな言葉なんでしょう。でもほんとにそれが彼の作品の魅力ですね。
Commented by izola at 2006-07-09 01:19
>tdtmkさん、改めておかえりなさい♪
tdtmkさんとお会いできたきっかけのマチス記事を
見逃さずに読んでいただけてうれしいです☆
確かにこことロザリオ礼拝堂はぜひぜひ行っていただきたい所
なので、結婚一周年旅行で行かれてはどうでしょ??(笑)
礼拝堂の記事はあと少しお待ち下さいね。
マチスのこの言葉に出会った時は私も大変感動しました。
マチス&マチス好きな方々と出会えた人生に感謝です。^^
by izola | 2006-06-04 18:40 | コートダジュール2006 | Comments(10)