2006年 08月 22日
ニンジン逃亡記/10
プールで読書の後は着替えてから
いざ「ミシェル・ブラス」のディナーへ出陣。
洞爺湖の眺めを堪能するならランチの方がいいのですが、
お酒に弱い私は昼からワインを飲むと何もできなくなってしまうので
暮れゆく洞爺湖を眺めながらのんびりディナーにすることに。
「Michel Bras」の本店はシェフの故郷であり、
本拠地でもあるオーブラック山地・ライヨール村にあります。
「自然から料理を創作する料理人」と言われるミシェル・ブラスが
本国以外で唯一の支店としてウインザーに出店を決めたのは、
生まれ育ったオーブラックと同じ壮大な自然を持つ洞爺を目にして
ここに自分の魂を持っていきたいという想いが生まれたからとのこと。
それではしっかりと彼の魂をいただこうじゃありませんか!(笑)
レストランは客室より1フロア上の11階。
ドアにはレストランのロゴマークとなっている葉っぱのシルエット。
これはアザミの一種でシストゥルという植物の葉。
ドアが開き席に着くまでの間にたくさんの
「ようこそ、ミシェル・ブラスへ!」という
温かい笑顔と声にお出迎えされます。
店内に向かう通路はよく噂になっている
「酔っぱらってふらつくと水没する」と言われるエリア。
写真には撮れませんでしたが確かに幅狭めな通路の左右に
小川のように水が流れているので酔うとキケン。
席は洞爺湖に向かって並んで座れるようセッティングされています。
まずはロゼ・シャンパンで夕暮れの洞爺湖に乾杯☆
これが有名なオリジナルカトラリー。
特にナイフにまつわる話は有名で、
トップ写真の手前に見えるメモにはフランス語で
ナイフについての物語が書いてあります。
ナイフが名産のライヨール村では住民は各々
マイナイフを持ち、それを生涯大切に使い続けるという伝統があり、
今日の食事の間だけでもその伝統に倣って
最後まで同じナイフを使い続けて欲しい・・・確かそんな話でした。
*ナイフ以外のカトラリーは料理ごとに取り替えられます。
カトラリーを置く台もオリジナル。
右からナイフ、フォーク、スプーンが
きっちりセットできるように切込みが入っています。
スパイラル状のナフキンリングも勿論オリジナル。
上質で大判のリネンナフキン。
今回予約したのはシェフのスペシャリテで構成されたコース。
こちらの薄い紙か板のようなものは
アニスの香りが爽やかなシート状のスナック。
バターにもシストゥルマークが刻印。
オテル・ド・カイザーでミシェル・ブラス専用に
作られているそば粉がブレンドされたパン。美味。
テーブルキャンドルにもシストゥルのシルエット。
アミューズその1は「コック・ムイエット」
シェフの幼少期の思い出にちなんだ卵料理です。
胡麻の入ったそば粉のパン3種に卵の黄身をつけていただきます。
アミューズその2は可愛いスプーンに3種類。
それぞれが口の中で素敵なハーモニーを奏でておりました。^^
1つ目のスペシャリテ、「ガルグイユー」は
30〜40種類の季節の野菜とハーブで作られた一品。
スペシャリテって言ってもちょっと手の込んだサラダでしょ?
程度のイメージでしたが、それは大間違いでした。
まず出された時に、水彩画のパレットのような
色彩豊かな野菜の美しさに感動。
更に口に運ぶと一つ一つの野菜がそれぞれ素材ごとに
とても繊細に加熱や味付けがしてある事に驚き。
まさに「自然から創作された」見事な一品でした。
次は帆立の料理。こちらもまた帆立の火の通し具合と
ソースの組み合わせが絶妙。
ナイフはこのようにお皿にもピタッとセットできるような作りです。
量が飲めない私はシャンパンの後は白を飛ばしてブルゴーニュの赤を。
飲めなくてもこちらのワインリストはぜひ拝見したい一冊。
見るだけでワクワクします。
開業時には24,000本のワインをフランスから一度に運ばせたとか。
和でも洋でもこのように美味しい料理に出会った時ほど
飲めない自分が悔しいことはありません。
でも逆に飲んべぇだったらいくらお金があっても足りない事に気付き、
己の財政状況から考えたらこの位でよかったかも、
いやいや、これでも贅沢しすぎでしょ、
なんてちょっと納得してみたり。(笑)
ふと外を見るといつの間にか夕闇が。
美味しい時間はまだまだ続きます・・・。
by izola
| 2006-08-22 18:18
| ホテル(国内)