建仁寺祇園丸山

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ホテルからタクシーで向かったのは祇園の
「建仁寺祇園丸山」

こちらは高台寺和久傳の料理長だった丸山氏が
独立開店された「祇園丸山」の姉妹店になります。

本店はカウンターが主体のようですが、
ここは、二人でも個室でゆっくりとくつろいで
過ごす事ができてロケーションもいいと評判だったので
建仁寺店の方で予約を入れました。






祇園丸山といえば京都ガイドブックの名料理店コーナー
には必ずといっていい程紹介されている料理店。

どんな立派な門構えなんだろう?
ちょっと緊張するかな?などと思いながら
店の前でタクシーを降りると、そこは目の前の提灯がないと
料亭とはわからないような小さな町家です。

暖簾をくぐると綺麗に水が打たれた小さな坪庭があり
その横の玄関で靴を脱いで2階の個室にあがります。
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通された個室は6畳に床の間がある和室。
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まずは丸山のロゴが刺繍されたおしぼりと
錫の器に入った食前酒。
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続いて出された八寸はこの日が芋名月ということで
青々とした芋の葉の上に乗せられていました。
黄色の小鉢には胡桃豆腐。
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手前の竹笛のような器を開けると宝石のように
彩り良く並べられた前菜の数々。
うーん、いきなり魅せてくれます。
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美味しい和食には美味しい竹酒を。
涼し気な青竹の酒器。
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お次は鱧と松茸の碗もの。
夏の終わりと秋の始まりが重なるこの時期ならでは。
・・・旨い。
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向付は確か鯛と鮪と?
大根の代わりに添えられたのは鯨の軟骨。
見た目は大根のツマか春雨のようですが、
食感はコリコリとして刺身に良く合いました。
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焼き物は確か甘鯛にたでのソースをかけたもの。
たでといえば鮎に付ける「たで酢」しか知りませんでしたが
このように合わせても美味しいのですね。
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前半は慣れない席でやや緊張気味でしたが、
給仕の時以外はほとんど人は来ませんので、
次第に部屋を詳細に眺める余裕も出てきました。

生け花は初秋らしくススキと秋桜。
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掛け軸はどなたの作?
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大きな螺鈿の箱は中国のものでしょうか。
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後半に出て来たこれにはちょっと感動。
無花果の田楽。
素揚げした無花果の上に赤味噌と白味噌が茄子を
思わせるバランスで乗せてあり、
表面は香ばしく焼き色がついています。
この香ばしさと味噌と無花果の甘味が絶妙でした。
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無花果田楽のインパクトが強過ぎて
炊き合わせはほとんど印象に残りませんでした。
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最後の珍味盛り合わせも美味しかったのですが
最早食材名が・・・。一番奥は「絹もずく」でした。
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締めのご飯は茗荷をたっぷり炊きこんだ茗荷ご飯。
茗荷の香りがきついのでは、と心配しましたが、
思ったよりも優しい香りに誘われてついついおかわりを・・。
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よく見ると凝った器&爪楊枝。
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水物は右の皿に梨・メロン・巨峰・バナナアイスクリーム、
左のガラス器は何か(忘)のジュレでした。
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どの品もとても丁寧に仕事されているのが
よく分かる料理と味付けで、前回の美山荘に続いて
京料理の繊細と洗練を堪能させていただきました。

少年の頃、ピカソの絵画に感銘を受けて
その美の世界を自分は料理で表現しようと思われたという
丸山氏が創られる料理の数々は、絵画のような華やかさを
持ちつつも、シンプルに美味しいと思える料理。

「ここに来るともっとも京料理らしい料理が味わえる」
という評判には多いに納得。


食後に庭を眺めていると
丸山氏ご本人が挨拶に来られました。
(女将は食事の中盤に来られました。)
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個室にはこのように低めのテーブルと椅子が配されており、
正座が苦手な方でも気軽に楽しめるようになっています。^^
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大満足でお店を出た私達。
せっかくだから散歩がてら花見小路まで行って
ちょっと飲んでかえりましょう♪
という話になったこの時に大変ラッキーな出来事が。

花見小路までの道がよくわからず、
お店の方に歩き方を聞いていた私達が心配になったのか、
見送りに出られていた丸山氏が本店に戻るついでに
花見小路まで送ってあげますと申し出てくださいました。
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送ってもらうだけでも充分図々しかったのですが、
その道すがら、図々しいついでに近くでお勧めのお店は
ありませんか?と聞いた私達。(笑)

こちらが祇園丸山本店。↓建仁寺店から早足で5分ほど。
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図々しい私達を案内してくださったのはこのお店。
実はここ、丸山氏いきつけのバーで、
通常ならば一見さんお断りのお店。
今回は丸山氏の紹介と言う事で特別に
入れていただくことが出来ました。
*外観は町家ですが、中はちゃんとバーのインテリアでした。
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更には本店に帰るはずの丸山氏も一緒に入られて、
カウンターに並んでお酒を飲むという驚くべき展開に。
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丸山氏はマティーニを一杯だけ飲んでから店に戻られました。
その間に少しお話を聞かせてもらいましたが
祇園という街も色んな意味で徐々に変わりつつあるようです。


思いがけず、京都という街の持つ奥深さを
身を持って体験することができた楽しい一夜でした。


*次回はホテルに戻って朝食編です。^^
by izola | 2006-11-09 23:59 | グルメ

旅は心の宝石箱