紅葉逃亡記/5

<美山荘/3>

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日が暮れてまもなく、
母屋からお迎えが来ました。

離れのゲストは母屋の左奥にある
カウンタ−形式の食事処で夕朝食をいただきます。







こちらは宿泊客以外でも気軽に食事に来てもらえるようにと
数年前に新しく造られたお部屋。
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ここも中村外ニ工務店による数寄屋建築です。
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上質でありながら潔くシンプルな造りは離れと同じ。
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左の暖簾の奥が厨房。
手前は主に料理の仕上げをする小さな厨房。
そこをぐるりと囲むように白木のカウンターが設えてあります。
席は3組のみ。
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今宵のゲストは皆さん常連の宿泊客でした。

席には各々違う柄の丸盆が。
隣は鯰、私は兎柄でした。
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夏は硝子、秋は錫の器で出される食前酒。
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一品目は八寸と思いきや、
大きな銀杏がたくさん入った朴葉味噌焼き。
これが驚く程美味しかった。
お酒好きな方ならこの一品だけで相当お酒が進みます。
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次は本日のメインとも言える茸盛り合わせ。
松茸&黒川茸&しめじ。
思わずおぉ〜と唸る程の大きな松茸に全員目がキラキラ☆
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目の前で丁寧に炭火焼きにしてくれます。
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茸が焼けるのを待つ間に出てきたのは
かぶらのあちゃら漬。
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岩魚の造り。
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今宵のお酒は赤ワイン。
松茸には赤が合うかなと思い、
コート・デュ・ローヌを選びました。
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ワインが開いた頃にタイミング良く焼けた丹波の松茸。
こんなたくさんの松茸をひとりで食べていいの?
と思わず聞いてしまいそうになってしまいました。(笑)
しゃっきりした歯ごたえと脳まで響く香りはさすが。
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続いて出されたのは黒川茸としめじ。
黒川茸は茸好きにはたまらない茸だそうで、
松茸よりもこちらを好む方もいるそう。
口にした時に一瞬苦味を感じますが、苦さは後に残りません。
身体に良さそうな味です。
しめじは椎茸か?と見まごう程の立派さでした。
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碗ものはいくち茸、むらさき芋の合せ白味噌仕立。
白味噌の美味しさは京都で目覚めました。
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むかご葛寄せは懐かしく温かい味。
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このタイミングで八寸が出るのが面白い。
里芋胡麻揚、地玉子みそ漬、栃もちこんにゃく、
川海老、菱etc。
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可愛いサイズの鯖寿司。
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これはお茶?と思ったらお吸い物でした。
とても良い味が出ているので何が入ってるのか
聞いてみると「ばちこ」との事。
更にばちこって何??と聞くと、ナマコの卵巣を乾燥させた
珍味中の珍味と言われる食材だそうで、
三味線のバチのような形からばちこと言われるそうです。
とても珍しいものをいただきました。
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子持ち鮎の杉板焼きは軽く味噌漬けにしてありますが、
たっぷり詰まった卵とその味噌漬け加減が絶妙で、
夏の鮎よりもこちらの方が気に入ってしまいました。
これも赤ワインに恐ろしく合いました。
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珊瑚茸のお浸しはさっぱりと上品。
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最後は鍋にたっぷり作られたきのこ汁。
仕上げに蓮根団子と葱を加えます。
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温かい汁物で満腹の胃袋もほっこり。
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粉山椒に添えられた小さな匙は乾燥した
しば栗の実を利用したもの。
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御飯は匙の材料になったしば栗を使った栗御飯。
鬼皮を薄ーく残した小さなしば栗は天津甘栗のように
甘味が強く、とても美味しかったです。
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デザートはとろりと柔らかい大城柿の上に可愛い冬苺。
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食後はこの日の食材について質問したり
調理の秘けつを教えてもらったり、
美山の四季の話を聞いたり・・・と
すっかり長居してしまいました。
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母屋の座敷でいただく方が摘み草料理を味わうという
風情や演出を楽しむ事が出来ますが、
カウンターでの食事は調理の仕上げや素材を
直に目にする事が出来たり、直接料理人の方と話が
できるという楽しみがあります。

正座が苦手な方は足を下ろせるカウンタ−での
食事の方が落ち着いて料理を味わえるのではないでしょうか。


秋の夕餉も夏とは全く違う魅力に満ちた
素晴らしい味と時間でした。


食事の最後に
「冬は猪や鹿などの鍋や根菜類がとても美味しいんですよ。」
と、しっとりたおやかな天使のような笑顔で若女将が
教えてくれました。

それって悪魔のような誘いだわ。。。(笑)
by izola | 2006-12-07 20:54 | 美山荘