重ねゆく日々。

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一陣の風のように過ぎ去ってしまった2007年。

様々な出来事の中で、
たくさんの出逢いと学びを与えてくれた
忘れがたい一年でした。


2008年もきっと瞬く間に過ぎていくのでしょう。

たとえ瞬く間に過ぎ去ったとしても、
今日からの一年が私にとっても皆さんにとっても
心に残る一年になりますように。


本年もどうぞよろしくお願い致します。







昨年の年末に読んでいた本の中で印象深い一文がありました。

オスマントルコ時代の偉大な建築家
ミマール・シナンの生涯を描いた本の中の一節で、
芸術にとっての大きさとはなにか、
神には大きさが存在するのか、
と問うシナンに対して
彫刻家ミケランジェロ・ボナロッティが答えた言葉です。


「様々なことが、我々を襲ってくる。
病。死。権力争い。戦。女。
それこそ数え切れないほどのものが、常に我々を襲ってくるのだ。
しかし、どのようなことが我々を襲ってこようとも、
我々には仕事がある。この手がある。
仕事をすることだ。
自分のはらわたをひり出してしまうほど、仕事をしなさい。
仕事をしなさい、シナン。仕事をすることだ。
どのような不幸も、禍いも、我々から仕事を奪う事はできないのだ。
我々が仕事を望む限りはね。
仕事をしなさい。仕事をするのだ。
これは自戒の念を込めて言うのだが、
結局我々にはそれしかないのだ。
仕事をしなさい。
きみの仕事が、きみのその問いに答えてくれるだろう。
仕事が、きみにその答えをもたらしてくれるだろう。
仕事をしなさい。」

-シナン(上・下)夢枕 獏著 中央公論新社より引用-


半分フィクションのような物語なので、
実際にはミケランジェロとシナンの出逢いが
あったのかは不明で、
この問答も作者の創造だと思うのですが、
とても深く心に残る言葉でした。


これから先一生かかっても彼等のように
歴史を刻む偉大な仕事は出来ませんが、
この手が在る限り、
仕事を望む限り、
自分に出来ることを日々積み重ねてことが
大切なのだと気付かせてくれました。
by izola | 2008-01-01 23:59 | つぶやき

旅は心の宝石箱